がくしゅうちょう

書いて残す

散歩の記録

 

今日は夕方に散歩した。
家から10分くらい歩いた国道沿いの歩道から見える景色がだいすきだ。高台になっているから遠くまで見渡すことができる。見おろすとすぐ下は畑で、池もあって、すこし先には民家が集まってる小高い丘。夕方以降にはそれぞれの民家の窓にあかりが灯っていて、そのあかりが集まってるのをみるのもすき。田畑のど真ん中に新幹線の高架が通ってて、今日みたいに天気が良ければその高架のずっと奥のほうに淡路島もみえる。実家に帰るときに車ではよく通る道だ。ほんとうにこの道と景色がだいすきで、だいすきというか、一瞬通り過ぎるだけでなんだか泣きそうになる。理由は自分でもわからない。この感じ何なんだろう、って思いながらいつもただ通り過ぎる。今日は歩いたからいつもよりもその感覚がつよくて、泣かなかったけど、ぎりぎり、っていうふうなきもちだった。歩くといろんなものがみえる。歩道沿いのおうちの車庫の塀にステンドグラスみたいにきれいな石をはめ込んでつくったようなちいさいランプが飾られていたこと、ただの空き地だと思ってた広場の雑木のなかに立派な柊の木(つやつやでとげとげの葉っぱにあかい実がついてたから、たぶんそう)がまぎれていたこと。ふだんは気がつかないことばっかりだ。そんなことも含めてなんだか泣きそう。おとなになると車ばっかり乗りがちだから、こういうことに気づけないまま生活しちゃうんだなきっと。
冬の、太陽の高度が低い感じ、ずっと夕方みたいなさみしさがあるなと思う。自分の目線よりちょっとだけ高いところから届く太陽のひかり。夏みたいに真上からさしてくるのじゃなくて、そっとそこにいてくれるような、空気はつめたくてもあったかいひかりのいろ。たまらない気持ちになる。なんかめちゃくちゃ大切なものをいつのまにか忘れてずっと思い出せない、みたいな、心がざわざわする感じ。とくにあの道を通ると、ざわざわがとまらなくなる。すきなんだけど、あんまりずっとそこにいたいってわけじゃなくて、何なんだろう、なんなんだろうな。なんなんだろう。なにを忘れたくなかったんだろうな。

 

歩道からの景色

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昔よくおつかいに行ったスーパー(今はペットショップになっちゃった)の横のため池

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